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マイケルブレッカー@WindSynth探偵団(4)

マイケルの使用機材について列挙し、それらとCD/Video等の音色からマイケルのがよく使うEWI音色・設定について考察してみました。


マイケルの使用機材

雑誌やネットでの情報によるマイケルが使っている/いたらしいウィンドシンセ機材を列挙すると次の通り。

1986年 「Steps Ahead Live in Tokyo 1986」での機材(DVDのライナーより。括弧内説明は管理人による)

1987年 NewPort Jazz Fes.における演奏での機材(NHK-BSで放映された映像より確認)

1988年 Jazz Life誌 1988年11月号Michaelインタビューの写真から

1989年 CD「THE MICHAEL BRECKER BAND LIVE」のジャケット写真から確認

1992年 Video「Live! Return of The Brecker Brothers」の映像から確認

1993年 Jazz Life誌 1993年7月号 Brecker Brothers インタビューの写真から93年来日ツアー時の機材

1994年 Jazz Life誌 1994年8月号「The Brecker Brothers」来日公演(ブルーノート東京・6/13〜18日)レポートの写真から

1995年発行のHAL LEONALD社発行のコピー譜に記載の機材

1999年秋にマイケルの公式ウェブサイトに記載されていたEWI機材(なお現在この記載はサイトから削除されています)

・・・というわけで、コントローラーは85年ごろからスタイナーホーン、88〜93〜?までAKAIのEWI1000、現在はEWI3020ということになりそうです。また1992年の「Live! Return of The Brecker Brothers」の映像を見ると、EWI1000の専用音源であるEVW2000のフロントパネルにあるラインアウトには何もケーブルが繋がっていません。(この情報提供byぎあさん(感謝))。というわけで、EWI 専用の音源であるEVW2000、あるいはEWI3020mは音源としては使っていないことも推測できます。(もしかして改造して裏から出している可能性もありますが)メインの音色はOberheimで、EWI音源は単なるMIDI(あるいはCVかもしれませんが)信号出力機という可能性もあります(だとしたら何とも贅沢な話。)


マイケルのEWI音色の傾向と対策

●音色の傾向を探る前に、Oberheim Xpander / Matrix-12について

 マイケルがずっと使い続けているのがOberheimのXpander / Matrix-12です。マイケルの演奏を分析する上で、この音源の機能について把握しておくとわかりやすいので簡単に解説しておきます。(といっても私は自分でこの音源を使ったことないので聞きかじりです。間違っている可能性もあるので、あくまでも参考ということで。)簡単に言うと、Xpanderは6Voiceのアナログシンセ音源で、Matrix-12はXpanderを2台詰め込んで鍵盤をつけた12Voiceのアナログシンセです。どちらも既に製造中止、セミビンテージなシンセになりますでしょうか。Oberheimならではの音色ともに、できないことはないほどの多機能が特徴で、ブレスやベンド等によって自由度の高い音色の変化が可能です。(詳しくは下記のサイトを参考に)

 また「Voice個別にいろいろ設定できる」のも特徴で、ちょっとずつ性格の異なる音色を重ねて音を厚くしたり、低音域と高音域で全く異なる音色にしたり、Voice毎にブレス感度を設定してブレスによって音色を入れ替えるといった仕掛ができます。
 さらに"Rotate mode"というのがありこれを上手く設定すると、「ド・ド・ド・ド・ド・ド」と吹くだけで「ド・ミ・ソ・ド・ミ・ソ」という風に、音を順番に繰り返して鳴るようにできるらしいのですね。CD"MIchael Brekcer"中の"Original Rays"に出てくる、メロディーは同じ音を吹いているのに出てくる和音が「妙に」変化しているハーモニーはこの"Rotate"機能を使っているという記述が、以前マイケルの公式サイトにありました。(今は消されています)

というわけでこれをふまえて、CDや映像で確認出来る限りでの、マイケルがよく使う音色の傾向と、そのセッティングについて簡単に推測してみました。

●いかにもアナログシンセリードな音。

●フルート系やミュートトランペットの混じった音

●変化のある和音によるハーモニックな音色

●ディストーションギター音色

●ソロパフォーマンスでのカラクリの「推測」

●マイケル本人の告白

 JAZZLIFE誌1988年11月号のインタビューから抜粋要約すると、CD「Don't Try This At Home」の中の同名曲は、

 またJAZZLIFE誌1993年7月号のインタビューから抜粋要約すると

だそうです。

●まとめ

 以上マイケルのサウンドを分析すると「Oberheim Xpander あるいはMatrix-12が欠かせない」ということでしょうか。あの独特のハーモニーと、複雑ながら統一感のある音色は、多分にOberheimの多彩な機能を活用したものだと言えそうです。というわけで、EWIセット(またはWX)の他にとりあえずは

を揃えれば、貴方も今日からマイケルになれる、か?????

Sep.01.2002追記:2002年8/25の"東京ジャズ"におけるセッションステージでマイケルは少しだけですがEWIを使いましたが、CyberFusionによるこのセッション直後のインタビューによれば、現在音源をフルデジタル化しようとプログラムをやりなおしている最中だそうです。要するにXpanderもMatrixもやめる、ってことですね。代わりはサンプラーやPCMやバーチャルアナログかな???


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参考文献:文中に記載

次を見る((5)In a Sentimental Moodに見るマイケル奏法の研究)


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Aug.08,2002作成

 WX5 workbook
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(EWIを吹いてないCDも含む)
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(^^;) by Kirino

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