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WXおよびVL70-mが故障した、という話は頻繁には聞きませんので、比較的丈夫な機械なのだと思います。「音が出ない」「音が変だ」という場合は、たいてい設定がおかしい/おかしくなってしまっている場合です。以下自分の体験や、掲示板に寄せられたトラブル談をもとによくあるトラブル症状・原因・対策を列挙しますので参考にしてください。(情報提供の皆様に感謝!)
●オーディオケーブルやアンプの接続等を確認、修正。
●音源のMIDI受信チャンネルは「1」になっているか確認、修正。
●一旦音源の電源を切り、MIDIケーブル・WXケーブルすべてはずして再度電源を入れる。10秒くらい間隔を置いて電源ON/OFFを何度か繰り返す。電源OFFにして各種ケーブルを何度か抜き差ししてみる。別の音色に切り替える。(ややオカルト的ですが設定の初期化や接触不良の解決の意味があります)
●音源がVL70-mなら裏側のHOST SELECTスイッチを確認、修正。
→パソコンをつないでいない場合は「MIDI」に
→パソコンをつないでいる場合、適切なスイッチを選び、かつ設定をチェック
・パソコン側のエコーバック(thru)をONにする。MIDI関連のソフトを起動させていないとダメな場合もあり。
・VL70-mの、MIDI/WXボタンで入力をWXにする
・MIDIインターフェイス(UX256等)を使っている場合パッチベイの選択でスルーさせるポートを選択する
●音源がVL70-mでないなら、WX側のブレスセンサー出力を確認。EXPかVOLに変えてみる。
●音源がVL70-mの場合、フロントパネルの表示でVOL、EXPがゼロになっていないか確認、修正。
●それでもだめなら、音源を初期化(工場出荷時の設定に戻す)してみましょう(VL70-mの場合UTL→INITIAL)。ただし今までカスタマイズした設定や音色は消えてしまいますので注意。
●とにかく別の音色に切り替えてみる。音源がVL70-mであれば、Pr1、Pr2、Intとメモリ領域も切り替えてみること。大体これで直るはず。特定の音色だけ変な場合は後述。
●VL70-mのモードを確認。通常はVOICEモードにする。MIDIファイルの再生後などVL-XGモードになったままのことがある。VL-XGモードではInt音色で自分で設定したエフェクトは無効になるので予想と違う音が出ることがある。
●一旦音源の電源を切り、MIDIケーブル・WXケーブルすべてはずして再度電源を入れる。10秒くらい間隔を置いて電源ON/OFFを何度か繰り返す。電源OFFにして各種ケーブルを何度か抜き差ししてみる。(ややオカルト的ですが設定の初期化や接触不良の解決の意味があります)
●WX側のツマミ(リップゼロ・リップゲイン・ウインドゼロ・ウインドゲイン)の接触不良の可能性があるのでこれらをグリグリ回してみる。私のWX5の場合リップベンドがなめらかにかからずある点で急にかかる症状が時々出るのですが(しばらく使わなかったり運搬した後に多い)このような場合リップゼロを回して再調整するとすぐに直ります。
●ほとんどは音源側の設定の問題です。その音色の設定が、WXの送信する情報でコントロールできるような設定になっていないといけません。特にブレスコントロールを前提にしていないVL70-m以外の音源を使用している場合はここの音色の設定をよく調べてみてください。
●音源がVL70-mの場合、生楽器の発音原理をシュミレートするという音源の原理上、音色によっては「息が弱すぎる・強すぎると音が出ない、音程が安定しない」「ピッチベンドが大きすぎると音が出ない、音程が安定しない」場合があります。特にIntメモリにプリセットされている音色はその傾向があるようです。VL70-mの音色を編集(コントロールエディットの部分)するか、またはWX5の設定を変えると解決できると思います。意図せずキーを押してWX5の設定が変わってしまっていることもあるので、まずはWX5の電源を一度切って初期設定に戻し、それでもだめならWX5のディップスイッチのVel(nrm/fix)、Win(nrm/hard)、Lip(tht/loos)、Lip(nrm/wide)あたりをいろいろ切り替えてみましょう。
上記を試して、かつ取扱説明書の「故障かな?と思ったら」というような項目を読んでもだめなら、設定の問題ではなくハードウエア的な問題が考えられます。数は少ないですが
1.トリルキーが効かなくなったことがあります。修理に1万ぐらいかかりました。(Y.Nakanishiさん)
2.オクターブキーのボタンがグラグラしています。(K.Kさん)
3.(時間が経って)WX11のキーがキコキコしてきました。(MILEさん)
4.WX7ですが、右手キーのシャフトをいっぱいまでねじ込むと、キー同士が当たっちゃって、キーを押しても戻らなくなってしまいます。よって、いつも右手キーのシャフトはゆるめ気味にしてます。(よしめめさん)
5.リード裏側がえぐれる問題。→詳細(Kirino)
6.展示品処分で安く売られていたWX11を購入し、1年ほど使っていると、+1オクターブキーが効かなくなってしまいました。で、分解してみると、どうもオクターブキーの下にあるマイクロスイッチがいかれているらしいので、自力で新品に交換しました。そしたら今度は+2と−1の効きが悪くなってきて・・・。(Fullerlenさん)
7.WX11は、ウォータードレインの真下に、本体の接合線とネジがあるので、水分が本体内に浸入し、本体内部にあるウェイトから赤錆が出ていました。ウォータードレインにパイプをつけてやろうと考えています。(Fullerlenさん)
などの事例が報告されています。1.はある特定のキーだけ反応しなくなる故障ですし、他は音を出さなくてもわかる物理的なトラブルですので、判断は簡単ですね。3.は木管楽器用のキーオイルや、CRC5-56等の一般的な防錆潤滑剤(ただしプラスチックに使用できるもの)を塗れば解決できるでしょう。4.はWX7だけの問題で、WX5では発生しません。
中古購入品では前述のようなハードの問題のに加え、「カンチレバーが曲がっているようだ」というケースがいままでに数件寄せられています。カンチレバーが曲がっているとリップセンサーによるベンド等がうまくできなくなりますが、ベンドを使わないのであればリップゼロを調整すればとりあえず正しい音程で音は出ます。販売店側も音が出る以上、それ以上のチェックはしきれないのは仕方ないと思います。中古購入するときには自分でチェックするようにしましょう。正常なカンチレバーの状態は「先端はリードに触れている」、縦位置は私のWX5の場合、「わずかに中央からズレている」が正常状態です。下に私のWX5の正常な状態の写真を示します。
AKAIのEWIシリーズはケーブルが断線しやすいのは有名で、ライブの時などは対策として予備ケーブルを常備しておくのが常識になっていますが、WXの場合WXケーブルが断線した、という話は全く聞きません。椅子のキャスターで踏んづけたこと数え切れず…というmagroさんの場合も、いままでトラブルは無いそうです。なおEWIの場合アナログ信号のためかケーブルが断線しても音は出るが音程が変、運指と違う音が出る、などの症状になりますが、WXの場合はデジタル信号ですので、ケーブルトラブルの場合は全く音が出ない、ということになるのではないかと思います(推測)。WX5はMIDI出力がありますので、これを利用すればWXケーブルのトラブルかどうか確認することができます。
またまたAKAIのEWIを引き合いに出してしまいますが、EWIはキーにタッチセンサーを使っているため演奏場所や演奏者の手があまりにも乾燥しているとキーが反応しなくなってしまうことがありますが、WXはタッチセンサーではないのでその心配はありません。ただし電子機器ですので内部に水分が入るような行為は厳禁です。WX5を分解したmagroさんによれば、「WX5の裏側のボリュームやディップスイッチは基盤直付けですんで、水分にはすごく弱い構造です。上面のKEY部分も含めて丁度パソコンのキーボードと同じ構造をしてますんで水分には充分注意が必要」とのことです。私自身、ディップスイッチの部分にヨダレがかかって、音程が変になったことがあります。ディップスイッチのカバーはしっかりする、ヨダレ止めをする、などの対策をしたほうがよいでしょう。→詳細 また結露によって内部に水分が付着する可能性は充分考えられますので注意しましょう。いずれの場合もしばらく放置して乾燥させれば直ると思います。
トラブル例・対策についてはmagroさんの意見を大いに参考にさせていただいています。感謝!
Nov.27.2001作成 Aug.15.2003最終更新
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