HOME >VL70-mをEWIで鳴らす |
ウインドシンセにはWXシリーズの他にAKAIのEWIシリーズが有名です。その専用音源はアナログ音源独特の太い音色が魅力的ですが、生楽器系のサウンドは不得意です。そういう理由でVL70-mの生楽器サウンドに興味を持っているEWI使いの方も多いと思います。そこで、実際にVL70-mをEWIで鳴らしてみました。なおEWIには(この記事を最初に書いた当時の)最新型ということでEWI3020(コントローラ)、EWI3020m(専用アナログ音源)を使用します。
※Apr.15.2001追記:EWI3000,EWV2000の各音源と対応コントローラでも同様の設定で動作可能なことを確認しました。情報感謝:micmacさん)
※EWI4000sでVL70-mを鳴らすにはこの頁の一番下の追記を参照ください。(Aug.15,2006)
EWIコントローラは専用音源経由でMIDIを出力できるのでこれを利用してVL70-mをコントロールします。
専用音源かと思うほど全く問題なく演奏できます。ブレスコントロールによる音量変化は非常にスムーズで一昔前のMIDI機器にあったような音量の階段状の変化は感じません。ブレスによる音色の変化も可能です。生楽器系サウンドのリアルさはEWI3020とは比較になりません。EWIに生楽器音をプラスしたい方は、ぜひ検討してみてください。
なおEWIには生楽器をサンプリングした音源EWI3030mもありますがこれとVL70-mの比較については未確認です。情報を求めます。
どちらでもかまいません。多少の長所短所はありますがどちらも楽器としての基本性能を充分満足しており同じように音源をコントロールできます。詳しくは「WX5 vs. EWI」で述べた通りスペック等にわずかな差はありますが実際は演奏者の技量のほうが音楽に与える影響は大きいと思います。自分が演奏しやすいほうのコントローラーを選びましょう。
VL70-mの場合特に音量が小さい時最初にブレスノイズから立ち上がる音が多いです。この特徴を活かすためには、ソフトに息を吹き込んだり、EWIのブレス感度ツマミをいつもより少し小さめにしたりすると良いかもしれません。
コントロールNo.のアサインを工夫しましょう。VL70-mの音色はブレスコントロールの他にピッチベンドやコントロールNo.13情報等により音色が変化するよう作成されています。ところがEWIの場合ブレスによって送信される信号はブレスコントロールとベロシティのみです。そこでVL70-mの設定をEWI用にあわせます。例えばPr2-47(C Flute)はアンブシュアコントロールがNo.13にアサインされています。これをブレスコントロール(No.2)に変えるとEWIに強く息を吹き込んだとき本物のフルートのように音程がオクターブあがります。同じようにサックス系の音で思いっきり強く息を吹いたらファズトーンになる、なんてことも可能です。またEWIはピッチベンドの操作性もWXと異なります。VL70-mではピッチベンドにより音程だけでなく音色も変化しますので、ピッチベンドの感度とカーブを適切に設定しましょう。各音色のパラメータ一覧はコチラにありますので参考にしてください。
せっかくですからVL70-mとEWI3020mの音色を重ねるのも効果的です。単純にそれぞれの出力をミキサーに入れる他に、VL70-mの出力をEWI3020mのオーディオ入力(EXT.IN)にいれるとVL70-mの出力にさらにEWI3020mのフィルターをかけて出力します。いろいろお試しください。読者の皆様から以下のような応用例をいただきましたので紹介します。
2006年春に発売されたEWI4000sでも、同様にVL70-mをコントロールできます。EWI4000sの場合EWI本体のMIDI OUTから直接VL70-mのMIDI INに接続します。その他の基本設定、吹奏感はEWI3020/mでVL70-mを鳴らした場合と同じくで、全く問題なく、スムーズにVL70-mを演奏できます。またEWI4000sは2006年6月にOSがver.2にアップし、ベンドキーに任意のコントロールチェンジのアサインが可能になるなどの機能が付与されました。これらのコントロールチェンジでVL70-mのパラメータを操作することでより演奏効果を高めることができるでしょう。VL70-mはEWI4000s用の生楽器系音源として有力な候補の一つだと思います。
Mar.27,2000作成,Apr.20.2008最終追記
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