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オルタネイトフィンガリングとは換え指、および換え指で出した音のことを言います。換え指は通常の運指では速い運指が困難な場合の代理として用いるほか、音色の変化を演奏表現に積極的に活かす目的でしばしば用いられます。Michael Breckerのフレーズ(下)に良く出てくるほか現在ではサックス奏法の定番になっています。WX5でこれをフォローしたことにはこだわりを感じてなかなか感心しました。
WX5では運指設定を「サックスC」にすることでオルタネイトフィンガリングの運指ができるようになります。全ての音に換え指があります。運指もサックスとかなり近くなっています。音源により効果は異なりますが、VL70-m、XG音源はもちろん、GM音源(YAMAHA QY20)でも試して見ましたが、全ての音色で思ったより良い効果が得られました。
演奏例はコチラのNo.9を聴いてみてください。全編にわたり「ラ」と「ソ」の換え指を使用しています。
この音色変化のからくりですが、換え指運指をしたときMIDI情報として、ある量のピッチベンドとブライトネス(CC#74)を送信することで聴感上の音色変化を得るしくみになっています。(このアイデアはヤマハが特許を出しています。(特開平11-212550))さらに同じ音でも換え指の種類によって送られるベンド・ブライトネスの値が微妙に異なるという芸の細かさ。これはWX5だけにできる技ですので、うまく利用すればウインドシンセの新たな表現を開拓できるのではないでしょうか。
注意しなければいけないのは、換え指の際にCC#74が送信→解除されることによりVL70-mの音色パラメータ「CutoffFreq」がゼロに戻ってしまうことです。すなわち、VL70-m本体で音色編集をして「CutoffFreq」をいじった音色は運指「C」での演奏は不適当で運指「B」(またはA)にする必要があります。
どうしてもCutoffFreqをいじった音色で換え指(運指C)を使いたい場合は、パソコン上のExpertEditorで編集し、カスタム音色としてVL70-mに記憶させれば可能です。
Nov.21.1999作成、May.7.2001更新
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