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3000mの「S01:T.STRUT」に関する考察

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よしめめ [E-Mail] [HomePage] 2003/02/08(土) 10:19:33
■序文
3000mのイの一番に入ってる音色「S01:T.STRUT」に関する考察です。
私にとっては使えるようで使えない音色。でも昔から気になっている音色のひとつでもあります。
音自体は好みなんですが、どうもいまいちパンチがないというか、あまりクセのない音色なもんで……(※死ぬほどクセがあるにもかかわらずそう感じさせないだけ。後述)。
それに、プリセットの1番というのは「この楽器はこんな音出せます」といった、ある種「顔」なわけで、そんな「選ばれた音色」には何か秘密があるのではないか、エフェクターのセッティングや改造で使えるようになるのではないか? ……そんなことを考えはじめたら、気になって気になって仕方なくなってしまいました。

そこで、今まで使ってこなかったこの音色を自分なりの「使える音色」にすることを目的に色々考え、カスタマイズをしていきたいと思います。

勿論十人十色のT.STRUTがあっていいわけなので、3000mユーザの皆様の意見や改造音色をぜひここで発表していってくれると嬉しいです。

よしめめ [E-Mail] [HomePage] 2003/02/08(土) 10:21:25
■T.STRUTパラメータ
まずは音色の分析から(数値の書かれていないものは全て0かOFF)。
●SOURCE-1
▼VCO-A
 FINE:-05
 WAVE:/|(鋸歯波)
 BALANCE:A 40 : 60 B

▼VCO-B
 FINE:+05
 WAVE:/|(鋸歯波)

▼VCF
 CUTOFF FREQ:30

▼VCA
 OUTPUT LEVEL:70

▼TRIGGER:SINGLE

▼BREATH
 VCF:80
 VCA:99
 VCO(BAL):40

●SOURCE-2
▼VCO-A
 FREQ:+10
 WAVE:_| ̄|_(矩形波)
 PULSE WIDTH:70
 SYNC:ON
 MOD VCF→:45
 BALANCE:A 25 : 75 B

▼VCO-B
 WAVE:/|(鋸歯波)

▼VCF
 CUTOFF FREQ:05

▼VCA
 OUTPUT LEVEL:50

▼TRIGGER:SINGLE

▼BREATH
 VCF:75
 VCA:95
 PULSEWIDTH:30
 RESONANCE:02
 VCO(BAL):10

さすがは一番フダを持った音色だけにかなり多彩な技が盛り込まれてますが、EGをひとつも使っていないところがミソですね。全てブレスで賄おうという姿勢はEWI音源としてのポリシーすら感じます。

■SOURCE-1考察
一見FINEが「-5,+5」となっていて高めのデチューンになってます。普通なら不協和音ギリギリのデチューンなんでしょうが、BREATH VCO(BAL)の設定がミソ。VCO BALANCE 40:60が、息を半分ぐらい入れるとスイッチして80:20になり、VCO-Bが隠し味的存在となります。
(これを私は「VCOスイッチ技」なんて呼んでます。4VCOが活きる3000mの必殺技ですね)
また、VCF CUTOFF FREQが30という値に対しBREATH VCFが80になっているのも注目点。
以上のことから、通常使うメゾフォルテ以上の時の挙動は、「音の頭がパッと入った後音がいきなり太くなってすぐ落ち着く(でも太い)」ってな感じでしょうか?

■SOURCE-2考察
こちらはさらに難解な作りですね。
矩形波と鋸歯波でのオッシレータ・シンク。さらにそれを「VCOスイッチ技」でBALANCE変えて、なおかつ息量でPULSE WIDTHまで変えてます。ブレスでちょっとレゾった上に、トドメはVCFを使ってVCO-AをFM変調する変態技のオマケ付き。どうだまいったか!(笑)
でもこんだけ複雑なことやってる割に、SOURCE-2だけ聴くと以外にすんなり聴ける音色になっているのはやはりシンクの為せる技なんでしょうかね。
発音は「ポゥワー」ってな感じの音です(分かりずら!)。

■総括
パッと見でパラメータ群を見ただけだと「基盤となっている音色はSOURCE-1、それにオッシレータ・シンクをかけたSOURCE-2が味付け」といった感じだったのですが、実際に2つの音をバラバラに聴くとそれぞれが高い個性を持っていて、まさに「2つの音色が絶妙にブレンドしている」という感じでした。

よしめめ [E-Mail] [HomePage] 2003/02/08(土) 10:21:55
■今後の予定
この「一見シンプル音色、その実変態音色(笑)」の長所は活かしながら、エフェクターのセッティングなど含め、自分的に使える音色を作っていきたいと思います。

具体的にはもっと太くしてどっしりとした安定感を出したいですね。
ブッちゃけ、まず最初の狙いはアルバム「TRUTH」の「TRUTH」。
この曲、EWI使ったJUDD系音色は結構皆さんシミュレートされてるようですが、アルバム版をシミュレートしたという話はあまり聞いたことがない。

実は以前大脇さんに言われて気付いたんですが、確かに「TRUTH」のあの音に結構似てるんですよ。ちょっと線が細いのと、パンチ力がないので、そこに的を絞って改造すればそこそこイケるんじゃないかなとは思います。まぁ、元がMINI MOOG(それも矩形波らしい……マジ?・笑)ということなので、「まんま」は難しいでしょうけど。

WX7+3000mなら奏法的にもかなりニュアンス掴めると思いますし、まずは基本中の基本(でもあんまやってない)の曲からってことで。

時間もあまりないんで、じっくりやっていきたいと思ってますので今後を生温かく見守ってて下さいね。途中、ツッコミや投稿もよろしくお願いします!

よしめめ [E-Mail] [HomePage] 2003/02/14(金) 15:29:45
先日TRUTHのコピーついでに、試しに改造してみました。
(参考→http://www6.plala.or.jp/tk_homepage/ZZZ_JUNK/mp3/
(ある程度したら消しますんで・・・御了承下さい)

レシピは、

■SOURCE-1
VCO BALANCE:A 25 : 75 B
VCF KEYFOLLOW:38
OUTPUT LEVEL:75
BREATH VCF:95

■SOURCE-2
VCO-A FREQ:+12
VCO-A FREQ:+1
VCO-A FREQ:-1
VCF KEYFOLLOW:45
OUTPUT LEVEL:85

こんな感じ。
丸い音を生かしながら太くしようと悪戦苦闘してみましたが、どうもうまくいかない・・・。
確かに太くはなったんだけど、ドスが効いちゃったというか、想像していた太さとはちょっと違う感じ。
SOURCE-1のフィルター開けたのと、KEY FOLLOWを設定したのが功を奏したか、上へいってもツブれなくはなりましたが。


で、大脇さんにちょいとレクチャーいただきまして、

・SOURCE 1、2共にSYNC掛けて見て下さいな。で、SOURCE間のデチューンを+1,-2位

・それぞれOSC BALANCEを100-0か0-100かで振り切っちゃって、結果的にSAW+PULSEの2OSC状態を作る、と。

・基本はSAW。VCF CUT OFFは閉じめで、BREATH VCFも少なめ。KEY FOLLOW3〜40前後なら自然でしょう。かなり丸い音にしちゃうと良いでしょう。

・それだけではエッジが立ってこないので、音の輪郭をPULSE側のSOURCE OUT PUTで調節。PWは15〜25位でお好みで。

今度はコレ、試してみたいと思います。

VCOを片方しか出さないのにSYNC・・・これって意味ねーじゃん? と思った矢先、「変わる」とツッコミが。ほんとに音変わるのかな? 楽しみ♪

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