サックスの吹奏感と最も近くなる設定
WX5で管楽器に始めて触れ生サックスも購入した、あるいはいつもWX5を吹いているけどいつかはサックスを・・という方も多いようです。WXが出来たからといってサックスもすぐ出来るようになる、とは言えませんが、もしかしたらニーズもあるかもしれませんので、WX5の吹奏感をなるべくサックスに近づけるための設定を紹介します。「運指」と「アンブシュア(噛む強さ)」と「音量コントロール」をなるべくサックスに近づけるための設定です。
音源がVL70-mの場合
VL70-m側の設定
- ブレスセッティングが適切か確認(フロントパネルBREATHから設定)
・Breath Mode = BC/WX
・Breath Control = BC
・Breath Curve = 0 (設定値はお好みだが標準は0)
- システムセットアップ「WX Lip」をノーマルにする。
(フロントパネルUTIL>SYSTEMから設定。初期設定のままで可)
- 音色の選択
・初期設定の音色で、アルトサックスであればPr2-72,74,75,76あたりが素直な音で良い。
・自動でビブラートがかからない音色を選ぶ。
WX5側の設定
- ディップスイッチ
・左1(Vel)をnrm (ベロシティ可変)
・左2,3(Win)をB/C (ブレスコントロールで音量を調節)
・左4(Win)をnrm (ブレスセンサー感度。ここは好みでhrdでも良いかも)
・左5(Lip)をtht (タイトリップ奏法)
・左6(Lip)をwide (リップデータワイド。nrmではベンド量が少ない。)
・左7(Lip)をP/B (リップセンサー出力をピッチベンドに)
・左8(Lip+)をon (通常onでもoffでも無関係)
・右1,2(Trns)は任意 (アルト/バリトンサックスの譜面ならEbに、ソプラノ/テナーの譜面を吹くときはBbにする)
・右3,4(Fing)を「C」 (Cにすると換え指が増える)
・右5(Fast)をon (運指の感度高くする)
・右6(Hi ct)をoff (左手サイドキーの運指が使えるようになる)
・右7,8(Whl)は任意 (サックスにはホイールが無いので、好きなものを選択)
- リップゲイン調整
・中心にあわせる
私のWX5の場合リップゲインの調整ねじが時計の8時から4時まで回転するのでこれを12時の位置で合わせる
- リップゼロ(ここが最も重要)
・WXをくわえない状態でVL70-mの画面の「PB:」の目盛りが左に振り切れるぎりぎりのところまで左に回す。(0.8〜1音位低くなるはず)この状態で正しい音程(「PB:」目盛りが中心)を出すくらいのアンブシュアがかなり生サックスに近い状態です。
「PB:」目盛り±1分くらいはは個人差でリップゼロを調節して良いと思います。私は上記よりわずかに音が高めに(ゆるいアンブシュアになるように)調節しています。
音色によりピッチベンド幅が違ったりして上記が当てはまらない場合もあります。いずれにしろ下唇を噛みすぎて痛くなるようなアンブシュアは強く噛みすぎです。
VL70-mでない音源(DTM音源等)を使用する場合
※VL70-mでない音源としてはいわゆるDTM音源を想定しています。プロ用シンセの場合は音色を作ったり、ブレスコントロールをアサインするなどまた別の方法があります。
音源側の設定
- 音量をエクスプレッションでコントロールする設定にする(ブレスコントロールは無効にする)。多くの音源は最初からこの設定になっています。
- 音色の選択(重要)
・音の立ち上がりがレガートな音色を選ぶ。WXでPCM系のDTM音源を鳴らす時の最大の問題は、管楽器系のほとんどの音色で音の間にタンギングが入ってしまうことです。レガートで「ラララー」と演奏したいのに、「タタター」というブツギレの演奏になってしまい音楽が台無しになります。DTMの場合は打ち込みのテクニックでこれをごまかせますが、生演奏ではそうはいきません。PCM音源の場合フィルターやEGを使ってもこれを完全には修正できませんので、最初からなるべくレガートな音を選びましょう。サックスであればソフトなテナーサックス系の音がこれに適合することが多いようです。
・自動でビブラートがかからない音色を選ぶ。
- ピッチベンド幅
・±2(±1音)にする。DTM音源では通常この値になっている。
WX5側の設定
- ディップスイッチ
VL70-mの時の設定から以下のみ変更する
・左1(Vel)をfix (ベロシティ固定)
・左2,3(Win)をEXP (エクスプレッションで音量を調節)
- リップゲイン調整
・VL70-mの時の設定と同じ
- リップゼロ(ここが最も重要)
・LIP ZEROつまみを左(音が低い側)にめいっぱい回す。リップセンサーに触れないようにして音を出す。ゆっくり右に回していくとあるところから音程が変わる。音程がちょうど変わり始めるところが適切な位置で、この位置で正しい音程を出すくらいのアンブシュアがかなり生サックスに近い状態です。チューナーがあると調節が便利です。音色によりピッチベンド幅が違ったりして上記が当てはまらない場合もあります。いずれにしろ下唇を噛みすぎて痛くなるようなアンブシュアは強く噛みすぎです。
※WX7/11をお使いの場合
WX7/11のピッチベンド幅はWX5のWideモードにくらべ狭いので、上記はそのままでは当てはまりません。VL70-mをお使いであればシステムセットアップ「WX Lip」をWideにすれば上記のように設定できます。
Feb.7.2000作成 Feb.28.2002最終更新
Thanks to Mr. Hyper Pyper