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管楽器経験の有無にかかわらずWX5を持った人が口をそろえて言うのが「オクターブキーの操作が難しい」ということです。しかし考えてみれば7オクターブの音域を親指一つで操るのですから難しいのも無理はありません。ここは腹を据えてウインドシンセの特長である「広い音域」を活かすよう練習しましょう。とはいってもWX5の取扱説明書にはオクターブキーの操作フォームが具体的に書かれていないので、ここで紹介します。
WX5は旧機種WX7,11とはオクターブキーの形状が変更されています。ヤマハ社の特許(特許公開平11-25956・電子管楽器)によれば、新形状キーの利点として
「親指をスライドすることなく若干回転させることで操作することができる。従って、音高指定用キースイッチの操作に影響を与えることはない。」
をあげています。すなわちWX5は、WX7,11,あるいはEWIのように親指をスライドさせるのではなく指の回転で操作するという意図で設計されていることがわかります。よって
が運指の際の基本的考え方になるでしょう。これを前提として、以下に私のフォームを紹介します。あくまでも「私の場合」ですので、正しいとは限りません。私自身オクターブUP側の操作は自信がありますが、オクターブ-2,-3の操作はまだ自信がありません。この運指を一つの参考例として皆さん独自の運指法を探求してみてください。
(ちなみに上記特許は 特許庁 特許電子図書館 から特許番号で検索すると見ることができます。(無料))
ゼロ | オクターブ +1 | オクターブ +2 | オクターブ +3 |
指の向きは時計の8〜8時半の角度。指の腹を中央の「円」に置く。指の左端で常にUP1キーを触れているのが基本。第1関節付近はDOWN1キーを触れるか触れないかの位置に意識する。
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指の腹を支点に第一関節の先だけを動かす感覚でUP1キーを押す。腹は円に置いたまま。押したときに指の端でUP2キーをわずかに感じる(触れる)位置に指を置くとオクターブ+2に移りやすい。
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指を少し回転させ、UP1,2キーを同時に押す。手首を回転するというよりは指をこねるという感じが近い。実際には回転だけではなく、わずかに指を上側にずらす動作も伴うかも。
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更に指を回転させて指の左端でUP2キーのみを押す。回転だけではなく多少の手首の回転と指のスライドが伴うはず。指の腹ではなく、爪の横側を使って押す。
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オクターブキー(UP)操作のアニメーションを見る(GIFアニメ,130kb)
ゼロ | オクターブ -1 | オクターブ -2 | オクターブ -3 |
オクターブUPの場合と同じだが、第1関節付近をDOWN1キーを触れるような位置に強く意識する
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指の腹を支点に第一関節の少し上側でDOWN1キーを押す。腹は円に触れたまま。
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指を少し回転させるとともにスライドさせ、指の腹〜右側でDOWN1,2キーを同時に押す
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そのまま指を下にスライドしてDOWN2キーのみを押す。指の腹〜右側を使う。私の場合UPの時の様に指や手首を回転させると親指以外の運指が困難になってしまうのでDOWN時はスライドせざるをえない。
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オクターブキー(DOWN)操作のアニメーションを見る(GIFアニメ,132kb)
「標準位置の親指の指紋部分を中心に、上下への力加減だけでオクターブキーを押していきます。つまり、親指の指紋部分を標準位置からほとんど移動させません。±1、±2までは見た目の指の形に違いはなく、+3の時には指先を立て、−3の時は指を反らす様になります。」
例えばEx.1のようにオクターブキーをまたぐフレーズを繰り返して練習します。最初はゆっくり、だんだん速くしていきます。スラー(指だけ動かす)とタンギング(全ての音を舌で切る)の両方で、雑音が出ないように気をつけて練習しましょう。
Ex.2は、下降フレーズの一例です。このフレーズで+3から-3まで7オクターブ、一気に下降します。
最初はゆっくり、だんだん速くしていきます。このような下降フレーズをシンセ系の音色で高速で吹くとかなりハッタリが効きます。広い音域を活かすウインドシンセならではのフレーズといえるでしょう。M・ブレッカーや本田雅人のEWI演奏にも良く出てきます。下降とともに上昇フレーズも同様に練習しましょう。フレーズはペンタトニックスケールから組み立てると使い回しがきくでしょう。
ぎあさん、MINさんの掲示板書き込みを参考にさせていただきました。感謝!御両名
Aug.11. 2000作成、Mar.18.2008最終更新
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